トップ 令和4年度の取り組み いろんなものに恵まれ、すべてがフィットした場所

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2023.03.24

いろんなものに恵まれ、すべてがフィットした場所

ワーケーション推進プロジェクトを担当された株式会社SALTの宿野部さん、相良さんにお話を伺いました。

本社を福岡へ移転。培ったノウハウとその土地の魅力を活かしたコミュニティ作りを実践。

あわえ:SALTさんの事業概要について教えてください。

宿野部さん:SALTは元々は東京で始まったweb制作等を行うIT会社でした。福岡へ拠点を移すきっかけとなったのは東日本大震災で、代表の須賀をはじめ当時のメンバーが福岡への移住を決めました。その時の経験をもとに、福岡移住計画というwebサイトの運営や遊休不動産の活用による拠点の創出、それに伴う施設の運営およびコミュニティ作り等も行うようになり、現在のSALTのスタイルが出来上がっています。快生館ではコワーキングスペースとシェアオフィスの運営を主な業務とし、これらを通じて古賀市内外の事業者や地域の人たちとつながり、コミュニティを作ることで薬王寺や古賀を盛り上げていくことを目的としています。

あわえ:今回、古賀ワークスタイルプロジェクトではワーケーション推進プロジェクトを担当されました。そちらについても教えてください。

宿野部さん:西区にあるSALT本社は快生館とは対照的に海の目の前にあり、以前からマリンアクティビティとワークを組み合わせたワーケーションプログラムを行っていたほか、代表の須賀はコーチングのプロ資格も取得しています。そこで培ってきたノウハウを快生館でも活かすべく、ワーケーション推進プロジェクトを担当しました。チームビルディング、リーダーシップ、地域課題解決をテーマとしたワーケーションを開催し、ただ仕事や研修をするだけでなく、快生館や古賀市の魅力を知ってもらえるようなプログラム作りを意識して行いました。

薬王寺から古賀市の魅力を発信し、まち全体を盛り上げたい

あわえ:SALTさんは快生館の運営を軸に、古賀市の中で人が集う場づくりをされていますが、今回のワーケーション推進プロジェクトを進めるにあたって、始まる前はどんなビジョンがありましたか?

宿野部さん:古賀市って、やっぱり皆さんから「何もない」と言われがちで… 今、移住者が増えている福津市と新宮町の間に挟まれている中で、古賀市の魅力をもっともっと地域内外に発信するということをテーマに掲げて活動していました。また、快生館に人を集めていきたいという気持ちもありますが、それだけでなく古賀市全体が盛り上がっていくように、色々と協力体制を作っていけたらいいなという思いがありました。そのため、各地で場づくり等に携わる面白いプレイヤーの方々にこのプロジェクトを通して快生館に来ていただき、一緒にワークショップなどをすることで、薬王寺から古賀市をアピールしていきたいと思っていました。

あわえ: 4月のキックオフのワークショップでは、婚活ワーケーションとかできたらって、田辺市長にも入っていただきながらプロジェクトメンバー全員で色々お話しましたよね。

宿野部さん:その時は、託児所のようにお子さんを預かれる場を作って、子どもやママさんも利用しやすい場所にできたらいいなという話が出てきたりしていましたね。あとは、犬鳴トンネルで婚活イベントやりたいとか(笑) 。それと、私はアーティストインレジデンスみたいな、アート要素もたくさん入れていきたい、という話をしていたと思います。

何かを作りださなくても、「何もない」ことそのものが魅力だと気付かされた。

実際にプロジェクトを動かしてみて、いかがでしたか?

相良さん:ワーケーションをきっかけに定期的な利用に繋がっているので、快生館自体の活性化、古賀市の認知度が上がってきているという点で成果はあったのかなと思います。 そして改めて「何もない」というのが 魅力の一つだと気付きました。当初は何もないところから何か目玉になるコンテンツを作ろうと試行錯誤していたのですが、 来られる人たちにとっては何もないからこそ自分の仕事に集中できたり、自分と向き合うことができるのがすごく良いんだなと思いました。温泉に入れて泊まれるワークスペースでありつつ市内からも近いので、日常の中に気軽に組み込めるリトリートメントの場としてとても魅力的なんだと思います。

宿野部さん:そうですね。普段、都会の中で忙殺されて色々深く考える時間がない中、快生館に来たことでこういった機会が持てること。しかもアクセス面も良くて、都会の近くにあるというのは魅力だと思います。最近は福岡市内のIT企業やスタートアップ企業の方の利用が特に多くて、1泊2日で集中して合宿をする環境としてすごく良かったというご意見をアンケートでも良く頂いています。あと、やっぱり市長の力が本当にすごい。田辺市長じゃなかったら狩猟イベントとか、ちょっとぶっ飛んだことやろうとするのも結構厳しいんだろうなって思いますね。

相良さん:自治体さんとの距離の近さはすごくありますね。フットワークも軽いしレスポンスも早いのでありがたいです。色々チャレンジができますし、だからこそ外から企業さんも入りやすいのかなと思います。

あわえ:活動される中で最も印象的だったことは何ですか?

宿野部さん:間違いなく狩猟体験ワーケーションですね。命を頂くことがどういうことなのかを知ってもらいたいという思いがあって、いつか狩猟イベントをやりたいと思っていました。快生館周辺の地域課題として実際に鳥獣被害があって、その解決にもなるワークショップとして実現できたんです。当日は鹿が3頭もかかり、罠の設置方法から解体の仕方までを学べたので満足度も高い内容だったと思います。古賀の近隣地域で活動する狩猟団体の協力も得られて、そうやって地域で活動するプレイヤーを巻き込むことも意識していたので、できてよかったです。

あわえ:すでに第2弾も企画が進んでいるとか…薬王寺が命の大切さを学ぶ場所になっていくといいですね。相良さんはいかがですか?

相良さん: どれか1つというより、ワーケーションをきっかけにSALTとしてのコネクションがものすごく広がった気はしますね。その中でも特に、というなら(株)大凧さんの合宿です。参加された方々が宗像市にある「ひのさと48」で実際にまちづくりをされている方たちだったので、ワークショップで出てくる意見が 一段も二段も深くとても勉強になりました。また、快生館の利用を通じてひのさと48のメンバーとは今も交流があって、ご紹介いただいた団体さんとのコラボレーション企画も2023年夏に予定しています。

あわえ:本当にいろんな繋がりができた1年でしたね。SALTさんのおかげで、私もたくさんの方々とお会いできて楽しかったです。

地域資源の活用、地域内外の人を巻き込み、今ある”点”を”面”にして広げたい

あわえ:このプロジェクトでの活動を通して見出した古賀市の新たな可能性、やってみたいことを教えてください。

宿野部さん:狩猟と湯治のイベントは今後も継続的にやっていきたいですね。薬王寺温泉や野生動物、この場所の武器となる地域資源をもっとうまく活用していきたいです。快く生きるという快生館のテーマにもすごく合っていると思うので。あとは、今回来られた方はほぼ福岡市からだったので、もうちょっと県外からの利用者も増やしていきたいです。私としては海外の人も連れてくるのが最終目標です。

相良さん:古賀市内も、快生館だったり古賀駅西口、東口それぞれ活性化が進んでいるところで、今回のワーケーションを通じてそれぞれと徐々につながりが生まれてきていると思うので、各拠点が点ではなく線だったり面だったりという形で連携し、色々一緒に動けるようになりたいですね。最終的に”しこふむエリア”(新宮町、古賀市、福津市、宗像市の4市町の総称)での地域連携にまで広がったらいいなと思います。

あわえ:それこそ、今回来られた方の口コミや伝手で全国に利用者が広がるといいですね。相良さんは古賀のご出身ですが、昔住んでいた頃と今の古賀で変化は感じられていますか?

相良さん:私が小学生だった頃がちょうど古賀の人口が一番増えていた時期で、何もしなくてもベッドタウンとして栄えていました。当時と比べると明らかに少子高齢化が進んでいる気はします。快生館ではたらいているからこそ、田辺市長みたいな方々が古賀を盛り上げようと頑張ってくれているのはすごく感じますが、実際に住んでいる人の何割がそれを感じているかは正直わかりません。ただ、「鹿の湯酒まつり」や「1周年の鹿の湯祭り」など市民の方も参加できるイベントを続けていくことで、古賀でもこんなことしとるんやね、という風に感じる人が増えていくのかなとは思います。

あわえ:市長や街の勢い、今までと違ったイベントがあるのは伝わりはじめているのかもしれないですね。最後に、快生館の拠点ディレクターのお2人にとってどのような場所ですか?

宿野部さん:何かを実験できる場所。狩猟をはじめ、何かやってみようというものをちゃんと実現できるみたいな。快生館という場、古賀市というサポート、SALTの持つ企画力、これらが揃っているからこそできているんだと思うんですよ。こんなにチャレンジできる環境ってあんまりないなって。私たちがやりたいことと快生館の環境の相性が良かったのも大きいです。あと、わたしたち2人の相性がよかったのもあるね。なんか、うわーーって勢いで色々やってたら、後から相良さんがフォローしてくれるみたいな(笑)

相良さん: アクセルとブレーキ的なね、無いものをお互いに補い合ってる(笑)

宿野部さん:スタッフも、イラストやデザインができるメンバー、温泉に詳しいメンバー、SNS発信できるメンバーと、奇跡的にいろんなものがフィットしていて、チームとしてすごく誇りに思います。1人じゃ絶対に成し遂げられないことをみんなの力でやってる感じです。

相良さん:まさしく「快く生きる」場所だなと。環境にせよスタッフにせよ、いろんな意味でいろんなものに恵まれた場所。そして、すごくそこにフィットしたお客さんが来てくれつつありますね。

あわえ:本当に素晴らしいコンビで、最高のチーム力です。皆さんと快生館、そして周りの方々との相性がばっちりですね。今後の快生館もとても楽しみです。

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