快生館というコミュニティが描くビジョンに自分の夢を重ねて、一緒に進みたい
快生館の入居者であり、古賀市が地元である映像マーケティングのコンサルをされている株式会社ネスピア松見達也さんにお話を伺いました。
東京や海外で得たスキルを地元で試したいと思い、古賀市で起業
あわえ:最初に松見さんの自己紹介をお願いします。
松見さん:僕は17歳の時に古賀市に引っ越してきて、高校卒業まで住んでいました。大学から一人暮らしをした後、就職と同時に東京に行って、31歳で帰ってきてました。戻ってきた時、古賀市周辺の情報を発信するローカルメディア「古賀マガジン」を始めました。最初はなかなか上手くいかなかったんだけど、色々やっていくうちに、古賀マガジン宛てに企業さんから問い合わせが来るようになってきて、とある工務店さんとYouTubeのチャンネル運用事業を始めたところ、それがめちゃくちゃバズったと。すごい再生回数が出たり、チャンネル登録者数が増えたりして、YouTube動画から家が売れる事例を1つ作りました。そこから横展開して、今は企業や地方自治体向けにYouTubeマーケティングのコンサル事業・動画制作・メディア事業を展開しています。
あわえ:地元で起業しようと思ったきっかけは何ですか?
松見さん:東京や海外で得たスキルを地元で試したいと思って、古賀市で起業しました。古賀市に戻ってくる前は8年ほど東京で働いて、都会の生活に飽きたところから2年ほどは海外でノマドワーカーを経験しました。土地の基盤があるから成し遂げられる共同体や、地元や田舎でしか戦えないって世界から見ると無力だと思っています。なので、僕は日本国内も海外でもいろんな体験をして、その知見を地域活動に活かしビジネスを展開しています。
高校時代は気にしたこともなかった街。Uターン時にもなかった変化を今、感じる
あわえ:ワーケーションプロジェクトに参加いただいた@worldさんのワークショップに参加いただくなど、松見さんにも共同事業体の活動に関わっていただきました。関わりの中で感じたことを教えてください。
松見さん:@worldさんのワークショップは、めちゃくちゃ良かったと思います。
古賀にいない人たち、いても表に出てこない人たちがやっと来てくれたなっていう感じでした。フリーランスでノマドワーカーで、要はパソコン1つで仕事をしているみたいな人たちですよね。彼らのような人たちって実際世の中にたくさんいて、ノマドワーカーをしているとよく会うんです。海外に行くと当然違う人種、違う考え方を持ってる人に出会う。でも、普通に古賀で生活していたら会わない。それが快生館だと、ここから出なくても叶う。快生館のオープンイベントの時から、古賀にはいなさそうだなっていう人たちが一気に来ていたし、@worldさんのワーケーションで分かりやすく体現されたなって感じでした。色んな人が交わることができて良いと思います。
あわえ:地域外の方が来られるだけで雰囲気ががらっと変わりますし、ワークショップでは私たちの見えない古賀の魅力を出してもらえて、すごくありがたいですよね。
松見さんが高校生の時と今とでは、古賀市はどのような違いがありますか?
松見さん:高校生の時は本当に住んでいるだけで、まちを気にしたこともなかったですね。隣町みたいに目新しく何かができたわけじゃないから、Uターンした時もあんまり変わってないなっていう感じでした。快生館ができてからは、それこそ古賀駅西口や東口も開発をやっているので変わってきたなと感じています。今の仕事上、前よりも地域に関わっているからっていうのもあるけど、時代の変化もあって情報がより見えるようになってきたんじゃないかなぁと。より多くの人が関心を持ちやすくなったと思うから、まちづくりも昔に比べるとやりやすいんじゃないですかね。ただ、情報がまとまってないから分かりにくいっていうのはあると思う・・・
そういう意味でいくと、田辺市長の力がめちゃくちゃでかい。古賀駅東口の開発のワークショップに参加したことがあって、その時にすごい田辺市長のリーダーシップに僕自身が惚れて。まちが動いてる感覚がめっちゃあったんです。「あ、これがリーダーシップか」みたいな。6万人の人がいる中のトップがこの人だったら、本当にまちが動くんじゃないかと感じたことがあります。自分の周りだけとか、古賀市だけとかってそういうのではなくて、社会全体を、日本を、世界を良くしようと動いているリーダーだと僕は感じました。
人とのつながりのその先に「熱狂」を生み出せるかどうかが鍵
あわえ:ネスピアさんは快生館の入居者でもありますが、普段から利用されていて、松見さんにとって快生館はどういう場所だと感じていますか?
松見さん:快生館は仕事をがっつり行う場所というよりかは、人との繋がりができる場所という印象が一番あるかな。今宿や天神、博多のSALTさんの他のオフィスも使えたりするので、働く環境を変えることができる場所でもあります。僕は、アイデアの数は移動距離に比例すると思っていて、移動した分アイディアが出るみたいに思ってるから、性分に合っているし、無理やり色んな場所に行くようにしています。
でも、人と人との繋がりって実はあまり重要じゃないと思っていて。繋がりから生まれる「熱狂」にしか価値がないんですよ。一緒に事業起こしたりとか、プロジェクトに没頭したりとか。その熱狂にいつも夢を描いてる。今後の快生館への期待は、「熱狂」が生まれる場所になること。熱狂が生まれないとたぶん何も起きないから。事業を起こしたり会社を立ち上げたりっていう動きが生まれると、今後の可能性としてはめちゃくちゃあるんじゃないかな。そこに期待しています 。
あわえ:やりたいと思ったその先で、本当にやれるかどうかっていうところですよね。
松見さん:ワーケーションで企業さんとかが1泊で来ても、帰っちゃいますよね。でも、そこから熱狂を生むのは企業さんたちや快生館に関わる人たち次第だなって思うんです。だからこそ一入居者として、快生館を熱狂が生まれる場所にしていきたいなと思います。
快生館は同じビジョンを描く仲間が乗る”船”
あわえ:古賀市に足を運んでくれる人が増えてきましたが、松見さんご自身が感じる古賀市の将来性はいかがでしょうか?
松見さん:僕がよく言うんですけど、まず30年後の未来、ビジョンを描くこと。ビジョンの概念は人によって色々なんですけど、僕が言ってるビジョンっていうのは30年後の未来が叶った時の在り方、つまり快生館の在り方ですね。未来に向かって突き進む姿に人の心は動きます。そして描いたビジョンに、例えば市だったら市民のやりたいことや夢を重ねさせてあげる。僕は松見達也っていう個人の夢を重ねます。そうすると、共感した市民や僕は快生館に指示されなくても一緒に動くんですよ。これが僕の言う「熱狂」にあたるところ。だから、ビジョンをもっと大きく描いてほしいな。快生館が目指している未来に市民の方がワクワクするような状況を創ることができて、呼ばなくても自然に集まってくるような組織になるとめちゃくちゃ良いなと思います。
あわえ:ビジョンを描かないと、その未来に行くまでに必要なことをその過程で経験できないですよね。
松見さん:そうです。現時点のバリューが大切なんじゃなくて、30年先を描かないと、それまでの道のりとなる5年後、10年後の未来を掴めないと思っています。僕は、快生館はコミュニティっていう認識です。つまり同じ船に乗って同じところを目指す仲間。そうだとすると個人的にはワクワクするし、この船を前に進めたい気持ちはすごくあります。だから、快生館というコミュニティも向かう先があるとすごく良いし、この先で終わらないコミュニティであってほしいなって思います。
あわえ:そうですね。快生館はむやみやたらに人を集めてるわけではないですよね。来ると、いつもの顔馴染みの人たちがいながら、新しい人がいてっていう環境がいいですよね。
松見さん:ですよね。会社でもなく家でもない、ただ仕事をする場所でもないというところに魅力を感じています。そういうコミュニティがいっぱいできる時代になると僕は描いていて。要は、一人が複数のコミュニティに所属して、それぞれの船(コミュニティ)は各々のビジョンに向かって進んでいくんです。同じコミュニティ内でも、また別の人の先にはまた違うコミュニティがあって…ってなるんです。だから、快生館の描く未来に共感する僕に近い人も、もしかしたら共感するかもしれない…みたいな感じで人が増えて大きくなっていくと良いですね。
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